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  • 17/09/03

    【旬の魚】江戸時代はネコマタギでした【戻りガツオの真相】

【旬の魚】江戸時代はネコマタギでした【戻りガツオの真相】

ネコマタギという言葉は「猫もまたいで通るような不味い魚」を意味することが多いのですが、かつては捨てられていたのに現代では評価が逆転してしまった魚もあります。

その代表が現在では高級魚の代名詞であるマグロのトロ。江戸時代はアジやサバよりも価値が低く、畑の肥料にされることもあったとか。赤身に比べて脂分が多かったためです。

油脂成分は、時間が経つと空気中の酸素や酵素などの作用によって不快な臭いを発し、味の劣化が進みます。さらに酸化が進むと毒性が生じることもあります。油脂中の不飽和脂肪酸が酸素を吸収して化学変化を起こすからです。


トロは江戸時代には防腐のために醤油漬けなどの下味をつけて供されていましたが、多量の脂分のため染み込みが悪く、棄てられることも多かったそうです。魚の鮮度を保つ手段がなかったので仕方がないことかもしれませんが、もったいない話ですね。

マグロ同様回遊魚であるカツオは、広い海を大きな群れで泳いでいますが、春になるとエサのイワシなどを追い求めて黒潮に乗って北上します。この時に水揚げされる「その年初めての」カツオが初ガツオです。

江戸っ子は「女房子供を質に入れてでも食え」と初ガツオを高値で購入しますが、人気の発端になったのは小田原の繁栄を築いた後北条氏二代目当主の北条氏綱だったという説があります。

戦に向かう氏綱の軍船に一匹のカツオが跳び込んできます。それを見て「勝つ魚が来た」と喜んだ氏綱は見事勝利を納めます。それ以来武士の間で珍重され、織田信長も内陸の岐阜城に生のカツオを取り寄せたという記録が残っています。

脂身よりも赤身が多く、サッパリとした味わいが特徴。タタキにすると、爽やかな風味が引き立つ初ガツオは、武士の生き様に「粋」を感じた江戸庶民の初夏の味覚として広まったのでした。

 

7月・8月になるとカツオの群れは東北沖に達し、9月にはUターンして南下を始めます。これが戻りカツオなのです。

餌をたっぷり食べた戻りガツオは初ガツオの10倍の脂肪を蓄え、トロトロの美味しさ。1990年代のバブル期以来人気となり、高値を呼びましたが、かつては大トロ同様ネコマタギとして殆ど商品価値がない魚だったのです。

9月に親潮に乗ってUターンを始める戻りカツオが本場高知に戻るのは10月~11月ですが、現在では東北地方で水揚げされたものがいち早く出回ります。三陸沖なら9月が最も水揚げの多い時期になります。流通の発達で味わえるようになったのは有り難いですね。




【掲載企業】飲食業界.com 編集部




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