あのズッキーニは焼却処分です - 飲食業界.com | 飲食店のための飲食業界専門の情報サイト
2018年11月22日 公開

あのズッキーニは焼却処分です

Vegetables Paprika Food · Free photo on Pixabay (125)

築地市場の野菜卸「大祐」の創業者、大木健二氏は洋野菜のパイオニアとして知られているが、洋野菜を日本に根付かせた地道な活動家としての側面も見逃せない。栽培農家と協力し、輸入した種や苗を植え付け、失敗を繰り返しながらも戦後日本の洋野菜普及に大きく貢献したのである。

『大木健二の洋菜ものがたり』(1997年刊)には彼が市場生活60年余りで、見聞きしたり、自ら栽培したりした野菜の歴史と秘話が綴られている。

大木氏が初めて日本に紹介した洋野菜は多いがズッキーニもそのひとつ。昭和52年、米国産輸入野菜の第一号として輸入された。

ところが税関で問題が起こる。いきなり「焼却処分」です、との通知が入ったのだ。当時の輸入代金は他の野菜も含めて100万円、大木氏は真っ青になって税関に駆けつける。

ズッキーニがどういう野菜なのか、本当のところはよく解っていなかったのだそうだ。そのため税関からの問い合わせにとりあえず「キュウリです」と答えてしまった。ところが当時の法律では植物防疫上、キュウリは輸入禁止だったのである。

大木氏は税関と掛け合い、ズッキーニがカボチャの仲間であることを説明し、ようやく輸入許可が下りる。こうしてズッキーニ第一号は焼却を免れて、かろうじて市場に出回ったのである。

その後、ズッキーニはまたたく間に全国に普及し、生産量は年間1000トンに達している。調理人の腕次第で様々な料理が作れるこの野菜を、大木氏は愛情を込めて「純白の花嫁」と表現した。
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【参考】 『大木健二の洋菜ものがたり』(1997年刊)
【記事】編集部 佐藤圭一
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