世界のチーズ特集VOL.9「オルヴァル」 - 飲食業界.com | 飲食店のための飲食業界専門の情報サイト
2018年12月16日 公開

世界のチーズ特集VOL.9「オルヴァル」

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人口わずか1,000万人強の小国ながら、
ベルギー国内には125のビール醸造所があります。
その中でも注目すべきなのがトラピスト修道院で製造されるトラピストビールです。

厳格な規則に従ってつくられる製品には共通の「トラピスト」マークを付けることができます。

トラピストビールは世界に7カ所。
そのうちベルギーに6カ所もあるためか、日本からの訪問者も多いと聞きます。

種類が豊富なことに加え、それぞれオリジナルのグラスやコースターがある
ビールの人気は年々高まっていますが、チーズは案外知られていません。

海外マーケットに力を入れてきた「シメイ」では、
数種類のチーズを製造していますが、残念ながら
修道院内に工房がないために正式に修道院チーズと名乗れません。

唯一「トラピスト」マークを付けられることを許されているのが「オルヴァル」です。

今年5月、新緑のオルヴァルを訪ねました。
ベルギー南東部、フランス国境近くの森の中に佇むオルヴァル修道院は
神秘的な逸話があることから多くの人を引きつけてやみません。訪問者は年間8,000人を数えます。
オルヴァルビールは修道院の再建資金を得る手段として
1931年に醸造を開始し、1932年より販売を行っていますが、
チーズは修道士や宿泊客用に細々と製造をしていました。

2002年に工房を新しく建て、
6,000リットル入りのキューブを2台導入して量産体制を整えました。

少しずつオルヴァルチーズの存在がチーズ業界にも知れ渡り、パリでも購入できるようになりました。

製造は1週間に2~3回、
年間180トンの生産しかありませんが、
今後はもっと伸ばしていきたいと意欲的です。

ボーリングのピンのような形をした
スタイリッシュなオルヴァルビールは1種類のみ。

オレンジ色が美しい2Kgほどの長方形のチーズも1種類しか製造していません。
むっちりと弾力があり、ウォッシュタイプ特有の芳香があります。

風味は決して強くありませんが、
余韻が長く、オルヴァルビールとの相性は抜群です。

秋の夜長に楽しんでいただけたら幸いです。
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