井上奈々子の『食の豆々知識』  にら - 飲食業界.com | 飲食店のための飲食業界専門の情報サイト
2018年12月13日 公開

井上奈々子の『食の豆々知識』  にら

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今回は、にらのお話。


● なぜ、今、にら?

栽培は古くからされています。
9~10世紀頃から。
想像つきません。

でも、八百屋さんに並び、消費が伸び始めたのは、昭和40年以降。これなら、私にも想像つきます(笑)。
それまでは、家庭菜園としてだけで消費されていたようです。

それでも香りがきついため、好き嫌いが激しい野菜と、ちょっと敬遠されがちでしたが、ここ近年、香菜などの、においの強い野菜が好まれるようになり、にんにく同様、にらの独特のにおいも気にされなくなりました。

そんな今日この頃、料理番組などで、にらを生で使用した“にらソース(きざんだにらと醤油や酢などの調味料を合わせたもの)”の料理が取り上げられ、人気爆発。

雑誌などで特集が組まれるなど、今や、にらは人気急上昇なのです。


●旬は冬。でも夏バテに最高の食材。

出回っているもののほとんどは、葉幅が広く、色も濃い、大葉種の“グリーンベルト”。
1年中出回っていますが、旬は11月~4月。
葉肉が厚く柔らかです。

しかし。
おすすめは、これから。

なぜならば、

○ビタミンB1を含み、更にビタミンBを持続させる硫化アリル(これがにおいのもと)を含むため、ビールや甘いジュースを飲みすぎた身体に、疲れ、だるさがとれないバテ気味の体に、最適。

○日焼けしてしまった肌に必要なビタミンA、Cもたっぷり。

○クーラーで冷えた身体や、かぜをひいた人にも効果的。

○にら独特な香りや、生で食べたときの辛味は、食欲を増進させます。
ちなみに、夏には、少し葉の細く堅めの細葉種が出回っています。

●にらもやしって何?

もともと、「もやし」は、萌やし。種からでた柔らかい芽のこと。
青にらを、軟化栽培させ、もやしのように育ててものを「黄にら」と言います。

その名のとおり、葉は黄色。これが別名「にらもやし」。
香りが穏やかで、柔らかです。

ちなみに、「花にら」は先端に蕾をつけ、花茎を食べる花にら専用の品種。


●“おねしょにも、にら”は本当?

にらは、ビタミンEを多く含むので、血液循環をよくします。
にらが、打撲(のはれ)、しもやけ、鼻血などにいいというのは、そのためです。

また、冷えからくる障害に効果があるため、冷え性をはじめ、下痢や腹痛にも。
昔から、「おねしょににら」といわれていたのは、この効用からか…。

ところで、胃もたれやつわりには、にらをつぶした汁に牛乳を入れて飲むといいそう。
これは、今回、調べていて初めて聞いたことでしたが。

う~ん、ビタミンEがあるから、効くんだろうけど、あまり、つわり中には飲みたいとは思わないだろうなぁ…。

にらは、かみきれないとか、歯につまる、なんていう(わがままな)意見もあり、好まれない原因に。

そんなこともあり、生で食べる場合は、みじん切りが正解。長く切ると更にかみきりづらいです。
ごま油を混ぜると、ゴマの香りが、にらの強烈なにおいを和らげ、更に、吸収をよくするのでおすすめ。

メタボぎみなおじさまにも、日焼けをしてしまった女性にも、バテ気味なサラリーマンにも、ぜひ「にらソース」、お勧めしてみてください(笑)
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【記事】FBA 井上奈々子

井上奈々子(いのうえななこ)
フードコーディネーター・フードプランナー

立教大学社会学部卒業後、フードコーディネータースクールにて、食の基礎を学びながら、新規出店の立ち上げやオペレーション等幅広い実践経験を積む。その後、飲食店専門コンサルタント会社、株式会社フードサービスコンサルタントグループに入社。多岐にわたった業態のメニュープランニングに携わり、チーフコーディネーターとして数々の業態開発を行ってきた。

独立後、飲食店舗のメニュープランニングを中心にブランドメーカーの商品開発、講演会、飲食店業界誌の執筆を行う。また、フードコンサルタント・コーディネーター養成学校の運営管理・講師、セミナー企画なども行っている。一方、エコール・キュリネール国立辻日本料理専門カレッジにて日本料理の技術を習得。うつりゆく情報社会の中、ゆるぎない食文化の基礎を日々研鑚し続ける。